山田ミネコの最終戦争伝説な歴史

   
 定価 680円

  
 発行 1981/12/20
地殻変動装置メビウスにより世界は滅びた。生き残った人類と宇宙人との壮大な戦いの歴史が幕を開ける。

第7章「ノヴェラ最終戦争時代と平山照継」

 そして時代は、激動の80年代。
 貸本漫画から雑誌向けの少女漫画を描き、花とゆめの看板作家となるべく努力を重ねた渾身のSF作品は受け入れられたミネコは、かつての憧れだった少年漫画雑誌の世界へと飛び込んだ。

   

 「パトロールシリーズ」に「最終戦争伝説」と人気を博し、SFマガジンにも招かれて本格派SF漫画家として紙面を飾るまでの扱いを受けた。
 作家本人が色白の美女であった事も評価に繋がり、最終戦争の年表や対談は色々な雑誌で紹介されていく。

    ・非常に細かく繊細な東洋装飾。

 宇宙や異次元をテーマに置いたSFが多い中で、学生の時に見た教科書に載っていたニューデリーの写真に憧れたミネコは 東洋的な要素を主軸に置き、当時としては珍しいネパールを舞台に少女神「生神(クマリ)」を登場させて漫画界を驚かせた。
 インドにカトマンズと、漫画で扱われるのが極めて稀だったその繊細なオリエント描写に、ファンだけではなく同じ漫画家達までも魅了される。

   中古コミック 草原の狼(完)(4) / 山田ミネコ

 やがて、3本目の連載となった「草原の狼(ステッペンウルフ)」がスタートすると、キングレコードは「オリジナルアルバム最終戦争伝説」の製作に踏み切った。

    

  

 その世界観を表現するのは、元飢餓同盟の「平山照継」率いるノヴェラ。
 楽曲に西の22の鐘の音を入れ、ディーヴァ・ダッタの曲には女性の笑い声を。七時の鐘は鳴り響き、東洋オリエンタルの世界観宇宙への非望を完璧に表現した楽曲は、当の原作者山田ミネコですらテープが擦り切れレコードに針の穴が空くほどに聞き惚れるものだった。

    中古邦楽CD NOVELA BOX COMPLETE STUDIO RECORDINGS 1980-1986  ・最終戦争伝説は2枚とも収録。

 二枚に渡って作られたコンビネーションアルバムは、ノヴェラの代表作品となり、25周年記念にも「最終戦争伝説」のアルバムは収録され、解散後に至っても演奏されることの多い名盤となった。
 特に平山氏との交流は深く、後のミネコの漫画にも強く影響を及ぼした。


詩人としての山田ミネコ

 最終戦争のアルバムだけではなく、ミネコ個人の詩集もその評価は高い。
 こちらはフォア・レディースシリーズと呼ばれる、新書館の詩集。
 紀伊國屋書店等で70年代に話題となり、寺山修司等の作品はその人気の高さから近年復刻版の再販もされている。

   

 ミネコ以外に萩尾や他の同期作家による詩集も多数作られ、 自殺・事故・哀愁・孤児などの現在の詩集には登場する事が少ないテーマが多い。
 未だに人気が高く、プレミア品だと一冊2万前後で、すべて集めようものならば100万単位の値が付く貴重品。
 絵本サイズでインテリアにも最適で、静かな幽霊は状態が良いものは5千円前後で取引されている。

 フェアレディースに対抗して作られたのが、白泉社のチュリッシュブックシリーズ。
 豪華な函付の装丁で、カラフルでモダンな色合いが非常に美しい。

   

 詩集以外にもミニ原画やカードブック等も作られたが、売れ行きはあまり良くなく原価が高い商品だったため12冊で幕を閉じた。
 和田慎二の登場も告知されていたが間に合わず、作られなかったのが非常に惜しい。その後間に合わなかった原稿はミニ原画として発売されたが、そちらの評価は当然ながら低かった。

    発売して欲しかった。。

 12色の詩集を暖色系や寒色系で揃えて、ちょっと本棚に並べたり戸棚の隅に置けば部屋が上質でモダンな雰囲気に変わり、インテリア雑貨としても可愛らしい。

     

 こちらも栞付は3千円前後で、状態の良いものを全巻揃えると10万円もする貴重品。
 後期は作家描き下ろしの栞付きだったが無くしやすく、中古で見つけても入っていないものが非常に多い。栞の有無で評価が決まるのだが、フェアレディースシリーズと並べても棚を彩るにも最適なので、一緒に入手してみるのもお勧め。


  第8章「神聖ミネコ帝国の崩壊と墜落」


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