山田ミネコと最終戦争伝説な歴史

  
 定価 420円

 
書籍版  1996/03/01
kindle版 2015/01/30
商業誌としては一端最後となった作品。ふふふの闇の続編的な内容で、トラブルシューターともリンクしている。

・第14章「消えた漫画家、京極との出会い」

 心機一転を図り、立ち上げた公式サイトも新作の雑誌休刊による打ち切りの波にさらされ、ほとんどの者が目に触れることもないまま98年に幕を閉じた。
 ようやく体力が戻り、漫画を書く事に意欲を燃やし始めていた矢先の打ち切りでは手も足も耳も出ず、迷子の兎は出版界の狭間を彷徨うが

  「悪名高きオウム真理教」

 の経典扱いされる漫画を描いていた作家に、そうそう新連載の切符を与えてくれはしない。

  中古文庫 姑獲鳥の夏 / 京極夏彦

 同人誌で続きを書くべく、秋田書店から戻された単行本にならなかった原稿たちを本にしては売りさばき、ついでに流行りのアニパロや百鬼夜行シリーズの二次創作に傾倒する。
 大きな収益とは言えなかったものの、BLジャンルという全く別のファンをも取り入れ、やがては京禁のやおい物にまで手を出し始める。

   

 そんな彼女を待っていた仕事と言えば、専門学校の特別教師くらいなもので、花の24年組と呼ばれた他の作家達は、ミネコとは正反対の華々しい活動を続けている。
 最終戦争伝説というライフワークの「単語」すら使う事を拒否されたミネコは、手足を取られて何も動けず、まるで人間性や作家としての方向性までも大きく×を付けて否定されたかのように感じ始めていた。
 孤独なミネコを救ってくれたのは、もう高齢化までも進んでいる昔からの読者と友人知人、それから同人誌を書くにつれて新たに知り合った作家達の支えだった。
 出版社に否定され、編集部には見放され、何もかも失ったミネコには、もうそれしか無かった。

    中古同人誌  SHE IS NOT THERE パトロール伝説 1 / あとりえだば

 そして、ノストラダムスがやって来なかった、1999年。忍たま乱太郎で知り合った見国かや氏の協力により、最終戦争シリーズは5年ぶりに起動した。
 小説という媒体ではあったが、ゲスト原稿にも助けられ、秋田書店の「ジャッカル」から途切れていたストーリーは長編となって始動する。
 手足が封じられたなら、長い耳を動かせばいい。漫画を描く体力が無くなってきたのならワープロに頼ればいい。

   

 商業誌から見放され、忘れられた漫画家とまで呼ばれた「山田ミネコ」の新たなる戦いが始まる。


  第15章「伝説の復刊、商業誌への返り咲き」


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