〜クラフトワーク破滅の歴史4〜

後悔と諦めの日々
 
   定価 8500円
 
Flowers ココロノハナ
win95/98 1998/12/11
目指せメジャーレーベル一直線



恋愛ゲームだって作れるぜ

 一気にメジャーレーベルを模索し始めたクラフトワークはSideBを打ち立ててノーマル恋愛ゲーム
 の制作に着手する。
 宇宙人もいなければ触手も出ない、何かほっこりするような恋愛模様を描いた。
 ゲームとしては中々の佳作作品でお金をかけており、何よりビジュアルアーツ自体が恋愛物を推していた事も有って

      

         

 「全面フルカラー広告12枚掲載」「限定一万本はピクチャーレーベル仕様の主題歌CD付」

 という入れ込みようで、メディアも絡んだ大々的な宣伝に取り組んだ。
 メガストアでコラムの連載も始め、スタッフの募集も開始。

     

  左側は演出ですという意味不明な落書きコーナーも設置するなどの活躍を見せ、


     「クラフトワークを破滅に追い込みたかったら買わないでください」


 を合言葉に開発が進んでいく。

 一年以上かけても集まらなかったスタッフも何とか見つかり公式サイトまで立ち上げた。
 小説版の発売にもこぎつけ、そこそこメジャー路線としての道を歩み始めた。
 次回作も制作し、目指すはアニメ化コンシュマー化のウハウハ生活。

 

 だが、あんまりにも内容がLeafのトゥーハートそっくりだったため。

 「劣化トゥーハート」「模造品」「二番煎じ」

 と葉っぱ信者にもろ叩きにされて、ユーザーアンケートは散々な結果で初回ロットも思わしくなく、
 一万本生産なんて言っていて、12/11が1/8発売予定になった通常版って何ですかな勢いで
 悲惨なまでに叩かれ、叩かれ叩かれまくってしょげた。

 

 玉手氏にはつまらんぞこんなもんと言われ、田所氏にもうんこと言われ、挙句の果てに馬場社長には

 「次回作で五千本売らないと好きなものは書かせないぞコラっ」

 と、烈火の如く怒られた。
 インターネットでファンを増やそう作戦って何だったんですかねーと愚痴りつつも次回作の制作に励む長岡氏。

 等と馬場社長は口では言ったものの、ゲーム内容としてはそんなに悪くもなくむしろ良作である。
 システムバランス等の問題もあるがきちんとした恋愛ゲームを描いておりメガネ萌えのファンから
 愛されて同人誌も作られるなど、中々にファン愛に満ちた作品である。
 個人的にも氏の作品の中でもっとも出来の良い良作だと思う。
 原画集の販売告知していたはずなのに発売もしなかったので、非常にもったいなかった。


    
   flowerは下記のサイトでダウンロード販売もしているので是非お買い上げください(宣伝)
    ・http://drops-market.com/products/detail658.html


 flowerの売り上げに泣き、切なさの欠片を思い知らされた長岡氏はこのまま潰れるかと怯え続けた。
 届くのは作品に対する抗議ばかりで尻切れトンボな良い所なし売れないダメダメソフトハウスだった。

 だが、馬場社長は見捨てなかった。それどころか次回作の催促までしてきている。
 flowerは美少女ゲームとしてはきちんとした作品であるし、売上は落ちたもののこれを作れたという
 長岡氏の力量をむしろ評価した。
 
    

 同年のKANON砲の追撃に萌えという物が理解できずに彷徨っていた田所氏とは違い、flowerには萌え要素が
 あり甘酸っぱい恋愛要素がきっちりと収められてあり、何より絵柄が萌える。

 とゆうか未だに極一部の身内過ぎる眼鏡っ娘フェチに愛されている作品なんてそうは無い。

 加えて長岡氏はまだ若くて才能もある。
 普通に他社で原画としてやっていても彩色でもシナリオでも、そこそこやっていけるだろう。

 馬場社長は長岡氏を抱えてこのまま見捨てないことにした。

    中古Win95/98 CDソフトKanon [通常版]

 トゥーハート目指しのゲームを指示した次は、KANONっぽい作品を作れとお達しを出したわけである。
 しかし、ユーザーからKanonの二番煎じと猛烈に叩かれるのは余裕でわかる事である。
 長岡氏は次回作づくりに迷走した。お財布の中身も乾き果てて借金地獄寸前である。
 flowerは思っていたよりも売れず、一万本初回盤で通常版五千本ってどんな大型メーカー販売戦略だよww
 と、思い切り机を叩いて嘆き続けた。



   次回作、次回作、次回作。



 頭の中は真っ白になり、ネットでは相変わらず劣化トゥーハートと叩かれ続け、貯金の中身はすっからかん。
 ネットのサーバー維持費さえ危ぶまれ、flowerでせっかく集めたスタッフも辞めていく。
 頼みの綱と言えば二万円程度毎月貰えるメガストア様のお給金であり、萌え理解不能海に沈み厄払いのお祓いに
 出かけるまで追い詰められた。

 とにかくお金がなかった。
 次回作が作れなければ入金があるわけもなく、flowerが売れるはずもなく、次回作のネタが思いつくはずもなかった。
 
 
    

 「適当に女が脱いでエロくて抜けるゲームを作ればいいんだよ」

 悩みまくる長岡氏に田所氏は諭した。
 あまり考える事はない、良作と呼ばれなくても無難で遊べるflower路線のちょいエロゲームを作ればよいのである。
 だがしかし、田所氏は決して言ってはいけない一言を告げる。


     

 「間違っても、あやよ5やようこそシネマハウスへみたいなゲームは作るなよ」

     

  「あやよ5やようこそシネマハウスへみたいなゲームは作るなよ」

    

     「あやよ5みたいなゲームは作るなよ」


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  事務所に帰れば手にしていたのは事務所閉鎖で受け取ったあやよさんの原画とラフの山。
  貧困地獄にあえいでいた長岡氏の耳に天使が囁いた。

     長岡のとっつぁんの好きなもん作ればいいんすよー


     えっ開発費がない? 銀行がお金貸してくれない?


    開発費は馬場社長に借りちゃえばいいんすよー 

        kanon儲かってるじゃないですかー、余裕っすよー
        フルボイスで声優雇って主題歌付けてグリグリ動かしましょうよー

         あちしら地獄まで行った仲じゃないっすかー
         今更100万や200万や300万借りたところで大したことないですぅー
         思い切って5000万位借りて林原めぐみとか雇うのどうっすかね?
 

          
          中途半端な恋愛ゲームなんて作っても叩かれるだけっすよー 

          それより売れそうにもないマニアックで無駄でどうしょうもない趣味全開のゲーム作って
          華々しく散りましょうよーハードにハードな時代を生きるんですよー



 あやよさんの横には先日貰った氏賀氏のサイン色紙。
 高校時代に憧れていた、あの猟奇的なイラストの数々。

   中古アダルトコミック デスフェイス / 氏賀Y太

   四肢断裂に内臓破裂、飛び出る鮮血に笑う女たち。


 好きなもの、好きな事、好きなゲーム。
 学生時代の思いを込めてキーボードにタイトルを打ち付ける。

 「さよならを教えて」

 と。

  ・そのご、さよなら実世界こんにちは地獄の日々


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