あとがき「青春だった月姫という現象」
当時を知るモノならば、ほとんどが持っていた三枚のディスク。 これを買うのに苦労したな、たくさん並んで色々な絵や話を書いたりして、ネットやイベントで知り合った仲間と語り合っていたな…。 (イェーーーイ! Humanityさん見てるーーーぅ?) 思い出は尽きないが、20年という月日は人との別れの時間には長すぎて、当時を語り合った友とはすれ違い。今では友人に会う事でさえ、こんな情勢では許されない時代となった。 コロナ過で抽選で何とか手に入れたゲーム機の電源を入れ、音量調整に戸惑いながら起動のボタンを押した。 そこには、20年前の時間を共有したアイツ等が待っていて、何だか読むだけで気恥ずかしくなる文章と、初めて見る新キャラと、少し変わり映えした吸血鬼が画面に映し出された。 あぁ、こんな感じだったなとか、ここは新しくなっているなとか、続きはまだかなとか思ったりして、最後まで遊び終え、宝箱の段ボールの中に三枚のディスクと一緒に入れて蓋をする。 20年間という時間で、別れた人やもう決して会えない人。新しく巡り合った人や、嫌な思い出と楽しかったことと、そんな記憶が去来し、電源を落として画面が真っ黒になったゲーム機を引き出しに収める。 ・ ・ ・ 駆け抜けた時間は全て幻のように消え、遠くどこかへと飛び立つ。 青春時代を共にした20年前の友がリメイク版を楽しんでくれている事を願いつつ、いつかは再びめぐり逢い、アイツたちの話を語り合える未来の話を夢見て、16年間続いた美少女ゲームの歴史に幕が閉じられる。 これまでの長年のご愛顧に、感謝を。 2021年9月26日 ProjectRepadars |
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