エルフソフトの歴史

  
 定価 6800円
 ドラゴンナイト
 PC88版 1989/12/15
美少女ゲームがコンシュマーを制覇する最初の名作。

第三章 クリエイター集団エルフと好実昭博氏の登場

 ぴんきぃぽんきぃは売れたものの、一つパッとしなかった「RUNRUN狂走曲」を出した89年。

   中古 PC98RUNRUN狂走曲

 ドラゴンナイト原案となる五枚のFAXを受け取っていた蛭田氏は、原画担当をどうするべきかと思い悩む。

  

 阿比留氏は可愛い女の子は書けても、得意なのはモンスターと男キャラクターと答えるくらいにエッチな絵を苦手としており、エルフには抜ける女の子の絵を書ける原画が居なかった。
 そこで思いついたのが、どこかで
聞いたようなフレーズでナンパゲームを作っていた古巣の会社。

 当時はそこまで売れてなかった、きゃんきゃんバニーの原画である
好実昭博氏をメイン原画として文字通りナンパした。

  中古PC98 きゃんきゃんバニー

 折しもアイデスでは、蛭田氏らが手掛けた「
リップスティックADV」が注目され始めていた。
 推理ゲームという関係上、ユーザーは蛭田氏の姿を追い求め、その行く先となった新会社エルフが注目され始めていく。
 更にじわじわと「きゃんきゃんバニー」の好実氏のイラストにも人気が出始めた、というナイスな条件が整って完成したのが、


 
 
美少女ゲームの歴史を革新的に変えた名作「ドラゴンナイト」


 今までのエルフソフトに無かった「魅力的な女の子」によるえっちなウィザードリィ。
 熱っぽく、しかもドキッとするような好実昭博氏の絵柄に人々は魅了され、しかもシナリオはリップスティックの蛭田氏で、ゲーム動作も軽快で音楽も中々。
  

 アパートの一室で始まったエルフは、ついに
一軒家を購入するまでに成長した。
 続く、シャングリラに雀JAKA雀の制作と好実氏も忙しく、

   

 あっという間にゲーム大賞を受賞し、ついでに音美も受賞という蛭田氏独占状態で、


 
その売り上げは、何と約7万本。
 金額にして、約4億円を無名のパソコンソフトが生み出した。


  


 現在のパソコン利用者で換算すれば、10人に1人はドラゴンナイトを持っていた事になり、
Photoshopの売り上げとドラゴンナイトが競う程に売れまくる。
 キャラクターグッズは飛ぶように売れ、
ルナちゃんシーツ14800円は札が紙きれの様に完売、年商一億円の大企業、エルフソフトが唐突に爆誕しゲーム業界の王者となった。

   中古PC98 キサナX・na

 古巣も負けじと、投げっぱなしになっていたリップスティックADVの続編を発表し、どう見ても、
ドラゴンナイトオマージュとしか言いようがないキサナの制作も開始する。

 PC-9801 3.5インチソフトランス -光を求めて-

 ドラゴンナイト効果で、ランス等の美少女PRGを出した新規ブランド「アリスソフト」も注目を集め、美少女ゲーム業界は飛躍的に成長を遂げた。
 1985年の「
天使たちの午後」以来となる、第二の美少女ゲームブームは大成功をおさめ、一般作を中心に扱っていたテクノポリスは美少女ゲームコーナーへと置き換わっていき、次々に専門雑誌は創刊されていった。

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そのよん、王者となったエルフと阿比留氏の困惑




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