はっちゃけあやよさんの歴史

はっちゃけあやよさん2
 発売 1990年
 機種 PC88/PC98
 MSX2/X68
 定価 3800 円
長岡氏のデビュー作
88版のみ失踪した森氏による物のためデザインが異なる。

第5章 ハード社の独立

 あやよ2が発売され、新グラフィッカー長岡氏も加入して安定を見せたHARD社。

 しかし、尊辺氏渾身の力作「トリロジー」は三部作にも関わらずディレクションの問題で一作目のみで頓挫となり、ベロンチョはテクノポリス大賞タイトル部門を獲得する等の活躍を見せたが、エロの少ない「ウォーターフロント」は今一つの売り上げとなった。

PC-9801 3.5インチソフト美少女写真館番外編 アウトサイドストーリー

 更に、多忙を極めた尊辺氏は「美少女写真館 番外編」を最後に退職する事となり、グラフィッカーへの負担は長岡氏に伸し掛かった。



 このため、MSX版のあやよ2は発売が遅れる事となったものの、人気作の続編という事も有ってそれなりにヒットした。

 そして、「あやよ3」の制作とデビュー作である「ソープランドストーリー」の続編が決まり、フルメンバーでの開発が進められていく。


美少女写真館公式ガイドブック

 この頃、海外での美少女ゲーム販売市場が確立されたことも有り、HARDもその流れに乗ってあやよさんを始めとするソフトの海外版製作に乗り出す。



 期待の新作「コブラミッション」は探偵もののハードボイルドで、アクションに探索、可愛い女の子の相棒。

 と、当時としては画期的すぎる「海外特別版」として制作を開始した。

PC-9801 3.5インチソフトコブラミッション

 メガテック社を通じて発売された「コブラミッション」は、欧米初のアダルト作品という事も有り傑作としてもてはやされ、2000年台にはiアプリ版が移植されるなど、未だにファンの多い作品となった。

(海外版は相棒が金髪美女、音楽があやよさんのBGMなどに変更されている)
 

PC8801時代の終わりと16ビット機

 1987年、PC88の16ビット機として「PC-88VA」が発売される。

 しかし、X68000の翌年発売という事も有って商業的には売れ行きが落ち込み、88機は結果として16ビット化の波に乗ることが出来ず、1990年にはDOS/Vの登場によるIBM戦略も加わる事でPC98への移行が進み、PC88ユーザーは大きく影に隠れる事となった。

 NECは更なる後続機「PC9821」の開発を進める事となり、PC98とのスイッチング機「PC98DO+」にて長く続いたPC88時代は終了した。


PC-9801 5インチハードPC-98DO本体

こうした事情もあって、HARD社はPC88ユーザーとの別れを決断する事を強いられ、新作の「あやよ3」は、88版の制作を予定するも開発を中止。



 それまでのMZ-2500⇒PC8801での制作から、PC98環境をメインとした16色カラー時代が始まり、プログラム移行を強いられることとなった。

 そしてあやよ3は、シリーズとしては最高峰の3万本を売り上げ、あの「ドラゴンナイト」や「ランスシリーズ」と売り上げを競うトップメーカーにまで成り上がる。

PC-9801 3.5インチソフトランス3 -リーザス陥落-

 一気に年商1億円となり、アダルトゲーム部門の域を超えたHARDは、親元のログを離脱し1992年に自社独立を決意。

 この戦略後、大きく控えている美少女ゲーム業界の闇を知るのは二か月後の事だった。
 
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第6章 沙織事件の到来と新社長就任


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