はっちゃけあやよさんの歴史

電撃ナース
 発売 1992年
 機種 PC98/Towns
 定価 8800円
水羊羹で売られたあやよさんが、他社作品に出演。
続編のモアセクシーでは、名前だけ登場。

第9章 HARD解散式典の開催

 二年連続赤字を迎えたHARD社は、起死回生の新作「吉永サユリがやってくる~ヤアヤアヤア」を告知した。

 CG枚数100枚に初のMIDI音源対応と、Windows95フィーバータイムが近づいているとも知らないままのPC98専用としての開発である。

PC-9801 3.5インチソフト吉永サユリがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!

 個人的には大変素晴らしい作品だとは思うのだが、あやよ5を続き物にして6の制作もほんのり示唆していた事で(吉永サユリが売れたらとの事w)ユーザー的にも「何故、あやよの続きではなくコレなんだ?
 とクエスチョンのミステリーが巻き起こる。

 発売直前には、CG枚数100枚がアピールポイントだがCG枚数62枚ほどを雑誌の付録としてMAG形式で収録し、購入前のユーザー目線的に

メガストア・ギミックス Vol.1

え、残りの38枚のためにゲームを買うの?


 という、困惑から始まるミステリーを巻き起こした。
 そして発売直前インタビューでは、さっぽろ氏が「吉永サユリを買ってください、会社が潰れそうなんです」と語る。



 まあその、えっと、吉永サユリはいい作品ではあるが、Windows95だよ大集合路線の95年に、PC98ソフトが盛大に売れるはずもなかった……。
 

届かなかったシネマハウス

 ログインという雑誌で「ようこそシネマハウスへ」を激推していたサワノフ氏達が中心となって、新雑誌「E-LOGIN」が1995年11月に発売。

 そして、ようこそシネマハウスへが一年越しに特集され、HARD社へのインタビュー記事も掲載される。
 だが、HARDは既に「吉永サユリ」で三年連続赤字を記録してしまい、会社としての存続が不可能に近くなってしまっていた。

E-LOGINE 1995年11月号 イーログイン

 連続掲載を予定したインタビュー連載は第二回で休止となってしまい、HARD現行メンバーの離脱が告知された。
 たった二か月の差で、ようこそシネマハウスへは世間から手の届かない場所に消えてしまい、そして、HARD社の解散式典がメガストアギミックスで告知された。

 長岡氏、さっぽろ氏、DON氏、らいち氏の四名は秋葉原の万世橋の前でHARDの現行スタッフの解散(会社としては存続だがスタッフ全員離脱)を宣言。
 そのまま黒マント姿で秋葉原の電気街を練り歩き、道行く方に「HARDって知ってますか?」と問いかけ、最終的に

B2ポスター 舞島可憐 「同級生2」


同級生のポスタールーレットで外れた方にHARD社の作品をプレゼントいたします!

 と、見知らぬユーザーに進呈して解散式典は終了となった。
 各社からは追悼のコメントが寄せられ、往年のファンである田所氏にまで、

吉永サユリだか何だか分かんないものを作っていれば、潰れるのも当然……いや、でもあやよさんはいい作品だなーーー

 というフォローが難しいコメントを残し、HARDは通販専用の窓口を残して休眠状態に入った。
 
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