その昔、「東のエルフに西のアリス」という言葉がありました。
それまでちょっと可愛いだけの女の子の1枚絵が出てくる程度でしかなかったエロゲー市場において、ゲームそのものが面白くのめり込み、ゲームそのものが物語を語り始めた……そんな新しい世界を見せてくれたのがエルフとアリスソフトでした。
拙著『ぼくたちの美少女ゲームクロニクル』制作にあたってリストアップする際にこの2社の掲載タイトルがなんと多いことか。正直、掲載ページ数と他社への配慮という都合上、削らなければならなかった作業に相当苦慮したことを思い出します。
『同級生』『YU・NO』『下級生』あたりを頂点に次第に輝きを失っていくエルフを見て、正直寂しい思いでありました。CD-ROM、ムービー、ボイスという表現力を持つにつれてエロゲが急速に「萌え化」していき、エルフの「キレ」がなくなっていく様を感じたからです。
蛭田氏の書く下半身の欲望に正直なちょっと下世話な主人公は、2000年以降の萌え化していったエロゲ市況とは相容れなかったのかもしれません。『○作』3部作といった名作を送り出しはしたものの、蛭田氏が裏手に回って露出しなくなるにつれてエルフは着実に衰退の道へ入っていったと感じます。この流れを断ち切ることができなかった以上、今回のエルフ閉鎖は避けることができない結末だったのかもしれません。
実は私、ごく1年足らずではありましたがエルフでグラフィッカーをやっておりました。『天神乱魔』『DE・JAⅡ』『雀JAKA雀』『同級生』、これ以外にシルキーズの立ち上げ前後の数タイトルも関わっております。当時からエルフのグラフィック技術は突出しており、まだ若造だった私にとって勤めていた日々は大変充実しておりました。
また、私が関わった短期間にこれだけの作品をリリースしていた点も驚嘆すべき点でして、いかに当時のエルフに勢いあったか感じ取っていただけるのではないでしょうか。
偉大なメーカーだっただけでなく、私にとって古巣であったという意味でも今回の閉鎖は寂しいものがありますが、僅かばかりの手向けとして、またエルフが存在した痕跡として追悼のメッセージを寄せさせていただきます。願わくば、本サイトを訪れてくださった方々の心の片隅にでも、こんな会社があったと留め置いていただければ幸いです。
『ぼくたちの美少女ゲームクロニクル』
著者:前田尋之さん
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WEB会員が無くなり、シルキーズ公式サイトが消えた。
その後に待っているものが何なのかは知っていたが、あえて足掻きたいと思って歴史を書いた。
この結末をこのような形で迎えるのは無念でならない。
何らかの形でもいいので、せめてエルフの名前が残る事を静かに祈りたい。
Repadars
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コンシューマ機に移植されたゲームでしかお世話になってない私が言うのもなんですが、『同級生』シリーズはゲーム業界にさん然と輝く素晴らしいゲームだと思います。
長い間、お疲れ様でした。
DAIVAの中ノ人さん
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セガサターンでエルフを知り、下級生から入ってYU-NOではまりました。
学生時代のひと時を共に歩んできた、忘れられないメーカーです。
お気に入りはティナでしたね。 あと、YU-NO繋がりでEVEも遊びました。
ドラゴンナイトはPCエンジン版で遊んだのですが、目玉の親父が出てきてびっくりしたのを覚えています。
Irupa-na Label主催
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□イベント団体代表より追悼コメント
同級生/下級生オンリーイベント
SchoolMemorys主催 永易さん
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